産業用ドローンは使用した後、みなさんはメンテナンスを行ってから保管が必要なことをご存知ですか?
よく使用されたまま機体を保管している話をお聞きすることがありますが、ドローンも機械なので使用した後は必ずメンテナンスや点検・手入れが必要です。その作業を怠ってしまうと最悪の場合墜落事故につながる可能性があります。今回では様々なドローン・機体に合わせたメンテナンスや手入れの内容についてお話致します。
目次
ドローンを安全に飛行させ、できるだけ長く使用できるようにするためには、定期的な点検は必須です。
国土交通省による「無人航空機飛行マニュアル」に、以下のような点検・整備のルールが記載されています。
ドローンを飛行させる前には、以下のような点検を実施します。
など。
これから安全に飛行できるかどうかという観点で、各部位の点検を行ってください。
ドローンを飛行させた後にも点検しておきましょう。
など。
次回も安全に飛行できるように、飛行後に異常が出ていないかを確認することが大切です。
20時間の飛行ごとに、以下の観点で点検を実施し、点検・整備の結果を「無人航空機の点検・整備記録」に実施記録を残す必要があります。
どのタイミングにおいても点検は確実に実施し、安全に飛行できるようにしましょう。
国土交通省「無人航空機飛行マニュアル」:https://www.mlit.go.jp/common/001218180.pdf
フレームにヒビや傷などがないかどうか、汚れが付着していないかどうかを確認します。
ヒビや損傷があると、機体に搭載している部品が落下する恐れがあったり、汚れが付着していると、重量バランスや抵抗が正常な状態と異なってしまうことで、操縦や制御に影響が出る場合があります。
フレームが汚れた場合は、クロスで丁寧にふき取ってください。
使用前と使用後は必ず残量やセル毎のバランス状態を確認してください。もし残量が少ない状態で長期保管すると次回充電しても使用できなくなる可能性がありますので、少ない場合は60%まで充電を行ってから保管してください。セル毎のバランスの確認方法は下記バッテリーチッカーをクリックして確認ください。
バッテリーチェッカー
ドローンのバッテリーの保管方法や長持ちさせるコツをご紹介!:https://mazex.jp/blog/dronebattery.html
意外と送信機のバッテリー状態の確認を忘れてしまっていた。ということが多い事例です。送信機に必ず残量が表示されていますので、使用前や使用後には確認するようにしましょう。
ドローンの命といっても過言でないプロペラ。使用したり運搬したりしているうちに、プロペラが欠けてしまったり割れてしまっている可能性があります。必ず飛行前には確認するようにしましょう。
フレームの傷や汚れ、異音や発熱の有無などはご自身でも普段から確認しやすいところだと思いますが、機体の微妙な歪みや、制御装置周辺の異常などにはなかなか気づきにくいと思います。また、モーターなどに詰まってしまった粉塵が取り切れない場合などは、プロに点検、メンテナンスを依頼しましょう。
メーカーなどには、機体を分解して、各部品を点検、洗浄し、必要に応じて修理や交換を行ってくれる点検・メンテナンスサービスがあります。
ドローンは決して安くない機器ですし、万が一の事故が起きた場合の被害や賠償も大きくなる場合があります。
普段の点検は十分に行えている自信のある方でも、定期的にプロの点検サービスを利用することは、決して高い買い物ではないと思います。
マゼックスの点検・メンテナンスサービス:https://mazex.jp/maintenance.html
ドローンと言えば空撮です。その空撮作業が終了した後は特有のメンテナンスが必要です。メンテナンスを怠ると、空撮ドローンで綺麗な写真が撮れなかったり、正常に動作がしなかったりします。ここで、メンテナンスする箇所をしっかり確認しておきましょう。
ドローンには前方や後方を確認するためのLEDが付属しています。このLEDは視認性を良くするために非常に明るいことがよくあります。夕方以降になるとこの光に吸い寄せられてしまう虫がドローンと衝突してしまいます。機体にぶつかった跡がつくことは問題ありませんが、カメラに付いていることがわからずに保管してしまうと軽く擦るだけでは取れなくなってしまいます。ムキになって強く拭いてしまうとレンズに傷がついてしまい撮影に影響する場合があります。必ず付着してしまってからすぐの取りやすい時に拭くようにしましょう。また、空撮ドローンのカメラは、一回使用したら、その日のうちにメンテナンスすることを心がけましょう。
空撮ドローンにはカメラを常に平行にするジンバル装置があります。ジンバル装置とは、1つの軸を中心として物体を回転させる回転台のことです。購入時にはこのジンバルを固定するための保護カバーがあります。このカバーが無いと、持ち運びしている間にジンバルに負荷を与えてしまい次回作動時に正常に動作しなくなる可能性があります。このカバーは廃棄せずに必ず使用後には取り付けて保管するようにしましょう。
Phantom4 シリーズ カメラ搭載ドローンの製品ページはこちら
MAVIC2 シリーズ カメラ搭載ドローンの製品ページはこちら
農薬散布作業に使用した場合は、特にメンテナンスを怠らないようにしてください。農薬を利用するために特有の作業が必要になります。ここで、農薬散布ドローンのメンテナンス方法を確認しておきましょう。
作業後には必ずと言っていいほど配管に農薬が残留してしまいます。もしこの農薬が残されたままだと配管内で固着してしまい散布中のつまりの原因になります。農薬散布ドローンを長持ちさせるためにも、必ず配管の掃除はしましょう。
使用後にはポンプに水道水を通して掃除しましょう。もしポンプ内に農薬が残っているとポンプ内のギア部分で農薬が固着してしまい次回作動しなくなり交換する恐れがあります。
こちらは必ず行う必要はありませんが状況に応じて行わないといけない必要があります。農薬がモーター内に固着していたり、粉塵が固着していると飛行中に悪影響を及ぼす必要があります。パーツクリーナーなどで掃除することもできますが、年1回はメーカーに依頼して機体のメンテナンスを行ってください。もし悪影響がある状態がわからずに飛行していると墜落してしまう可能性があります。
農薬を噴霧する部分のノズルは最もゴミがたまりやすい部分です。内部にはフィルターが備えられていて、不純物を吐出しないように設計されています。ゴムパッキンも含まれているので農薬が付着している状態で長時間保管すると痛んでしまってボタ落ち防止機能が作動しなくなりますので使用後は必ず掃除するようにしてください。
農林水産航空協会認定機 飛助MGの製品ページはこちら
飛助DX 農業用農薬散布ドローンの製品ページはこちら
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林業分野では以下の点検・メンテナンスなどが必要です。
なお、林業用運搬ドローンも、年1回はメーカーに依頼して機体のメンテナンスを行ってください。
林業の苗木運搬や架線引きでは重量物を長時間にわたって長距離飛行することも考えられます。通常モーターは熱くならないように冷却機能が備わっていますが万が一のために着陸後は素手でモーターを触って熱くならないか確認するようにしてください。手で触って5秒間も触っていられないぐらいの高温の場合は飛行を中断して熱が冷めるまで待機してください。
使用前と使用後は必ず切り離し装置が作動するか確認をしてください。もし切り離し装置が作動しなければ荷物を積載した状態で長時間飛行する可能性があり非常に危険ですので負荷がかかっている状態でも正常に動作するのかを確認してください。また切り離し装置の安全装置などにも異常なく作動するか確認してください。
延助nobisuke 延線・架線マルチローターの製品ページはこちら
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ドローンのメンテナンスや点検についてお話しさせていただきましたがいかがだったでしょうか。普段から少し注意することで事故は未然に防げます。必ず作業前には点検を行うようにして、1年に1回はメンテナンスを依頼するようにすると安全に使用することができます。基本的なことや少し絞ったことについてお話ししましたがここに書かれていない内容でご不明な場合はお気軽にお問い合わせください。