drone

ドローンスマート林業とは?人材不足を解決するIT技術導入の背景

スマート林業とは?人材不足を解決するIT技術導入の背景

ドローン
2020.05.01

近年、林業をはじめ農業や漁業、鉱業といった一次産業は、慢性的な人材不足や従事者の高齢化が問題となっています。その中でも林業は、力仕事であることに加え、産業界でも最も危険度が高いと言われている業種の1つです。言い換えれば担い手が付きにくい産業とも言えます。

一方で、建築材料や家具、紙製品などに使われる木材を生産する林業は、私たちの生活に欠かせない産業。IT化の波は日進月歩で進み、多くの産業が変革の時を迎えていますが、林業も例外ではありません。そこで現在は、IT技術を駆使して行う林業である、スマート林業に注目が集まっています。

ここでは林業界が抱える問題を解決する手段として注目されている、スマート林業について、ご紹介いたします。

スマート林業とは

MU-S 林業用苗木運搬ドローンの飛行

スマート林業とは、地理空間情報やインターネットを活用したコミュニケーション(ICT)などの最先端技術を、林業に活用することをいい、林業従事者の減少や高齢化の問題を解消するための手法として注目されています。また生産性と安全性の向上にも寄与すると期待されています。

スマート林業を実現するために注目されているのが、無人航空機であるドローン。林業にドローンを活用することで、森林管理を可視化できるので、効率的に作業を進められます。スマート林業が促進されている背景として、主に2つの要因が挙げられます。

林業従事者の高齢化と人材不足

昨今、日本全体として高齢化や人材不足は問題になっていますが、その影響は林業にも顕著に現れています。

技術はもちろん、体力が必要になる職業です。特に重量のある木の伐採や運搬には危険を伴います。そんな中、林業従事者の総数は減少の一途を辿っており、高齢化も年々進んでいます。しかし現在は、このまま林業を衰退させないために、現従事者は若者の育成にも力を入れています。

このような、若者の従事に繋がる環境作りや人材不足の改善がスマート林業には期待されています。

森林情報をドローンで取得し、管理を効率化するため

林業は広大な自然を扱う仕事の1つ。人材不足の問題を抱えている日本には今現在、従来の方法では従事者の減少している森林の管理をまかないきれないのが現状です。

一方で、ドローンを利用して一度に広域の情報を取得することで、効率的な森林管理を実現します。さらに森林情報が可視化されていることで必要な作業の分量、それに伴う人員の割り当てを効率的に行えます。

このような業務のIT化による生産性の向上が、スマート林業が推進されるもう一つの要因です。

また農林水産省の外局である林野庁がスマート林業を推進しており、国全体としても業界の改善に取り組んでいます。
林野庁「スマート林業の推進」ページ

スマート林業で林業のIT化を促進するメリットとは

スマート林業を促進するメリットは、まず生産性や安全性の向上にあります。森林管理のIT化によって広大な森林を可視化することができ、作業の効率化が図れることに加え、危険な作業が減って人的な事故リスクの減少も期待できます。

加えて、スマート林業はIT化によって業界の深刻な人材不足の解消にもメリットを見出します。ドローンと合わせてGIS(地理情報システム)を利用することで、これまで紙ベースで管理されていた森林資源情報や地図情報をIT化し、森林データの蓄積・データの一元管理が可能です。これにより、森林をマネジメントするシステムが構築可能になり、データによる森林ごとの伐採率の確認や作業人員の割り振りができるようになります。

従ってスマート林業は業務をIT化することで、生産性・安全性の向上に加え、人員的なコスト削減によって人材不足の解決にも貢献しているのです。

スマート林業を促進する林業用苗木・資材運搬ドローンのご紹介

スマート林業を促進させる上でドローンの存在は欠かせません。人の手だけでは把握し切れない広大な森林も、ドローンを利用することでカバーできます。また、力仕事となる運搬作業でもドローンを活用できるので、力仕事として認識されていた林業のあり方を大きく変える可能性を持っています。

前述のように林業は過酷かつ危険な作業を伴う職業ですが、ドローンを利用することで、効率的かつ安全な作業を実現できます。スマート林業の実現に向けて、有用な林業用の苗木・資材運搬ドローンは2つです。

森飛-morito- 林業用ウインチ運搬型

森飛-morito-は林業分野で過酷かつ危険な作業をドローンで行うために住友林業株式会社と共同開発し、40,000本の苗木運搬実証実験を繰り返し完成しました。

森林でドローンを使用するために、専用ウインチを搭載、自動切離しフックや共振防止装置を開発したことで、安全を確保しながらも広範囲に渡る作業も効率よく速く進めることができます。農業分野では国内メーカートップシェアの経験を林業用に生かし、瞬間荷重が60kgのことも想定した強靭で耐久性の高いフレームが完成しました。また独自開発の共振防止装置により、さらに安全性を向上し、いかなる荷重の変化も収める事ができます。

森飛-morito- 林業用ウインチ運搬型を詳しく見る

森飛-morito- 林業用2オペ型運搬

林業用運搬ドローンの森飛は共振防止装置と切離しフック付き

森飛 2オペレーション型は安全かつスピーディーな作業を多種多様な現場に合わせて柔軟に対応できる機体です。人が歩いて往復80分かかる山(水平距離400m/高低差150m)も、森飛が飛べばたったの5分。しかも人は休憩が必要ですが、森飛はバッテリー交換するだけで休むことなく1日中運搬することができます。機体1台の作業スピードを人に換算すると、その差は10倍にまで効率化され、人件費削減にも繋がります。またフレームや動力部品は1度に15キロまで運搬できる性能なので、余裕を持って運搬作業を行えます。

1度森飛を使うと、もう人力で運搬作業に戻ることは考える余地も無いほどの作業効率化と労務省力化に繋がります。

森飛-morito- 林業用2オペ運搬型を詳しく見る

林業用苗木運搬ドローンについての記事もございますので、よろしければこちらもご覧ください。
ドローンが林業の働き方を変える!林業用苗木運搬ドローンの5つのメリットとは?

まとめ

林業における従事者の高齢化や人材不足を解消する一手としてスマート林業が大きな注目を集めています。今後の林業を支える存在として、IT技術の導入は欠かせないポイントです。その中でも今回ご紹介したドローンは、生産性の向上や安全性の確保など、さまざまな成果が期待できます。スマート林業の構築は一筋縄ではいきませんが、ドローンのように導入しやすい部分から少しずつ進めてみてはいかがでしょうか。

マゼックスは、農林水産航空協会認定製造メーカーであり、安全・手軽に使用できる農薬散布ドローン等の産業用ドローンをご提供しております。また、豊富な経験と技術開発力を活かし、農業・林業・運搬など様々な分野でご利用いただける製品やサービスをご提供しております。インターネットでのご注文だけでなく、全国の販売店でフライトデモ又は説明を受けていただけます。お気軽にお問い合わせください。