娯楽用をはじめとして注目されてきたドローンですが、昨今はさまざまな産業における業務効率化や省人化のために活用が進んでいます。各産業の中でも林業は、担い手不足をドローンで代替したり、危険性の高い作業をドローンで行ったりと、特にドローンの活用が期待されている業界です。
本記事では林業におけるドローンの活用や林業用のドローン測量についてご紹介していきます。林業に従事されている方や測量でドローンの活用を検討している方は参考にしてみてください。
林業でドローンの活用を進めるために、まずは林業の現状と課題について確認していきましょう。
樹木を伐採し木材を生産する林業ですが、日本における林業従事者の賃金は低いとされているのが現状です。それを踏まえて林業における低コストで効率的な作業システムの普及・定着が課題になっています。
そうした課題を解決する一手として、林業の業務効率化や省人化に有用なドローンが注目されています。また数年前まで林業をはじめとする産業用ドローンは、高額なケースが多いのが現状でした。しかし現在は100万円台から購入できる林業用ドローンも登場し、コスト面でも導入が進んでいます。
上記のように賃金が低い現状がある林業では、林業従事者の従事者数の減少と高齢化も進んでいます。実際に1980年には約14.6万人いた林業従事者は、2015年には4.5万人にまで減少しており、さらに高齢化率(総数に占める65歳以上の割合)は25%と、4人に1人は高齢者となっているのが現状です。
こうした林業従事者の減少と高齢化の現状を解決するために、さまざまな取り組みが進められています。実際に各種研修の実施によって、林業の計画作成の中核を担う「森林施業プランナー」や地域の森林づくり・林業活性化を支援する「森林総合監理士(フォレスター)」の育成・確保が進められています。しかし現場レベルでは一刻も早い効率的な作業の代替先が必要であり、その際ドローンは欠かせない存在として注目されています。
参考:林業の現状と課題
林業従事者の減少と高齢化が進み効率的な作業が求められている林業。そしてそれらを解決する一手として、期待されているのが林業におけるドローンの活用です。ドローンにはさまざまな活用方法がありますが、その中でも林業ではドローン測量が代表的な手法です。
林業のドローン測量とは、空中から地面や林地の状況を測量しデータ化することです。またドローン測量は単に写真や動画として現場を撮影するだけはなく、位置情報と画像データを組み合わせられます。それにより樹木の樹高はもちろん、直径や曲がりなども把握可能です。
樹木の状態を人間が測量する際には、実際に現場へ行く必要があり、立地によっては危険性が高かったり人員も必要だったりと時間も労力も必要でした。
一方でドローン測量では、自宅や安全な場所からドローンを活用し、地面や林地の状況を測量できるため時間も労力も削減できます。こうした点からドローン測量は、林業従事者の減少と高齢化が進み効率的な作業が求められている林業で期待されています。
また林業のドローン測量は、その立地の状態から樹木の状態までさまざまなデータの収集に活用できます。その他にも、樹木の分布状態確認、災害時の倒木に伴う被害予測、地形の状態確認、森林所有者の境界線の明確化など、幅広い活用方法があります。
最後に林業用ドローンをはじめ産業用ドローンの製造・販売・修理・操縦指導をしているマゼックスの林業用ドローンをご紹介していきます。
住友林業株式会社と共同開発した、吊り下げ運搬が可能な林業用ドローン。多種多様な現場に合わせて柔軟に対応できる機体で、20,000本以上の苗木運搬実証実験を行い実用性の高さが特徴の林業用ドローンです。
勾配がきつい山、スペースが狭い山、視認性の悪い山などでも使用できるよう、機体1台に対して2個の送信機で操縦する2オペレーション機構を採用しています。これによって広範囲にわたる作業も効率よく、スピーディに進められます。
森飛-morito- 林業用2オペ運搬型の商品詳細
こちらも住友林業株式会社と共同開発した林業用ドローンで、専用ウインチにより山風や斜面の危険を回避し、独自技術により吊り下げ運搬が可能です。専用ウインチを搭載し、自動切離しフックや共振防止装置を開発したことで、安全を確保しつつ広範囲に渡る作業も効率よく進められます。
また瞬間荷重が60kgに対応した強靭で耐久性の高いフレームを採用、安全かつ効率的な運搬物の昇降を可能にし、作業効率を向上させます。実際に1時間の作業スピードは本製品1台に対して、8人の人力作業に匹敵します。
森飛-morito- 林業用ウインチ運搬型の商品詳細
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