農作業にはさまざまな作業工程がありますが、そのうちの1つに防除が挙げられます。防除をしないと、大切な農作物が傷ついてしまったり、出荷できない品質に落ちてしまいます。そのため防除は農家にとって重要な作業であり、高品質で美味しい農作物を作るためには欠かせません。
そこで今回は防除とは何か、また農薬散布ドローンにおける防除についてもお伝えします。農作業初心者の方や、農薬散布ドローンにおける防除をご検討の方は、ぜひ参考にしてください。
防除は農作における害虫対策であり、高品質の農作物を育てるためには欠かせない作業です。また高温多湿の日本では、さまざまな生物がいます。そしてその生物の中には、農作物を食い荒らす害虫も存在しており、農家を脅かす存在です。そのため日本の農業において防除は特に重要な作業です。まずは防除の方法や、防除の重要性についてお伝えします。
防除は一般的に農薬散布によって行われます。農作物ごとに害虫の特性は異なるため、それぞれにあった農薬を使用、防除し害虫対策をします。
また農薬は「手作業」「無人ヘリコプター」「ドローン」による散布が主な方法です。圃場の広さや地形などに合わせて、最適な方法を選びます。
害虫は農作物を食い散らかしたり、病気に感染させます。そのため害虫駆除を怠ると、農作物が出荷できない状態になってしまうのです。これは農家にとっては大打撃であり、害虫駆除を怠ることは、利益損失につながります。
農薬散布ドローンは、近年導入が進んでいます。人手不足や担い手の高齢化などの問題を抱える農家において、効率的に散布ができるドローンは業務効率化の面でもメリットがあります。ここでは農薬散布ドローンにおける防除のメリット・デメリットをお伝えします。
農業の農薬散布においてドローン活用して、防除する際には以下のメリットが挙げられます。
農薬散布ドローンを1機持っていれば、好きなタイミングで散布できる点は農家にとっても嬉しいポイントです。また安価なドローンであれば100万円前後と、購入しやすい点も大きなメリットです。
さらに条件によってはドローン購入に対する助成金や補助金も出るため、該当農家はお得に導入できます。今後も農業におけるIT化は進んでいくため、助成金・補助金も着目しておきたいポイントです。
一方デメリットには、以下のポイントが挙げられます。
農薬散布ドローンは高性能である一方、バッテリーの関係で1回の飛行時間に制限があります。一般的な飛行時間は10分前後。
しかし多くの場合、コストを考えるとドローンを活用するメリットの方が大きいのが実情です。
農薬散布ドローンは導入拡大が最近ということもあり、使用可能な農薬が少ないのも現状です。そのため野菜と害虫にも、防除可能であるものそうでないものがあります。
以下は、防除可能な主な野菜と害虫です。
野菜 | 害虫 |
---|---|
大麦・小麦 | アブラムシ |
大豆 | カメムシ類、ハスモンヨトウ、アブラムシ類、マメシンクイガ、ウコンノメイガ |
玉ねぎ | アザミウマ類、アブラムシ類、シロイチモジヨトウ |
キャベツ | アブラムシ、コナガ |
トウモロコシ | アブラムシ類 |
大根 | コナガ |
みかん | ニカメイチュウ、カメムシ類、アブラムシ類 |
2021年2月時点
薬剤タンクの容量が小さいドローンでは、高濃度かつ少量での散布が可能なドローンに適した農薬の使用が必要です。ドローンで使用可能な農薬は、以下の使用方法ができる農薬です。
農林水産省では、今後も使用できる農薬の拡大を図っています。順次新規登録された農薬も公開しているため、ドローンと合わせてチェックしてみてください。
今回は防除の概要から農薬散布ドローンにおける防除についてご紹介しました。近年急速に導入が進んでいる農薬散布ドローンは、手間と時間のかかる防除の効率化を実現します。
農薬散布ドローンを利用するメリット・デメリットを押さえ、該当の野菜や害虫に対する農薬散布ドローンの導入を検討してみてください。
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