農作物の大敵といえば害虫です。害虫のせいで野菜に痛みや傷がついてしまう場合や、売り物としての価値がなくなってしまうケースも少なくありません。大切に育てた野菜が売り物にならなくなってしまうのは、野菜を売って生計を立てる農家にとって致命的といえます。
そんな害虫被害から野菜を守るために重要なのが農薬散布です。従来までは、人の手で農薬散布を行うケースが一般的でしたが、近年ではドローンが注目を集めています。というのもドローンによる農薬散布は作業時間の短縮や手間の削減を実現できるからです。
今回は農薬散布ドローンで防除可能な野菜、そして害虫の種類をご紹介いたします。農薬散布に課題がある方、ドローンでの散布に関心がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
農薬散布は野菜作りにおいて欠かせない反面、作業の時間や労力の面で課題を持っていたのも事実です。一方でドローンを活用することで、作業効率の大幅アップと作業時間の短縮が可能です。
実際にドローンの操縦は、類似性のある無人ヘリと比べても容易です。また自動飛行が可能なドローンを活用すれば、そもそも操縦の必要がない機体もあります。この点は特に作業時間や手間の削減に有効です。
ここでは具体的にドローンで防除可能や野菜や害虫には、どのようなものが当てはまるかをみていきましょう。
大麦・小麦の共通害虫「アブラムシ」等を防除できます。さらに害虫だけでなく「うどんこ病」「赤かび病」「雪腐小粒菌核病」へも効果がある農薬が散布できます。大麦・小麦の農薬散布をドローンで行えば、圃場へ直接足を踏み入れずに、均等な散布が可能です。
大豆の害虫には「カメムシ類」「ハスモンヨトウ」「アブラムシ類」「マメシンクイガ」「ウコンノメイガ」が挙げられます。また病気には「紫斑病」があります。大豆はドローンによる農薬散布に対応する農薬が豊富なため、適切な害虫駆除が可能です。
ドローンで防除可能な玉ねぎの害虫に「アザミウマ類」「アブラムシ類」「シロイチモジヨトウ」が挙げられます。また「灰色かび病」「廃炉腐敗病」「菌核病」の予防も可能です。そして玉ねぎに使用できるドローンの農薬は、現在4種類ほど存在しますので目的に合わせて使い分けましょう。
キャベツの害虫として知られているのが「アブラムシ」と「コナガ」です。しかし今のところドローンで防除可能な害虫は「コナガ」のみとなってしまいます。直接口にする葉ものには高濃度の農薬の使用が厳しいため、現時点では「アブラムシ」の防除は別の方法を取らないといけません。
ドローンで防除可能なトウモロコシの害虫は「アブラムシ類」です。現時点でトウモロコシのドローン散布で使用できる農薬は2種類となっており、どちらもアブラムシ類に効果を発揮します。
大根に使用できるドローンの農薬はノーモルト乳剤で、「コナガ」の防除に効果的となっています。
ご紹介してきたように、ドローンによる農薬散布はさまざまな害虫に効果的です。ただし現在は対応できていない害虫も存在します。
今後農薬の改良によって、対応できるようになるかもしれません。そういった意味でも早めにドローンを導入しておくことで、今後の対応がスムーズになるでしょう。
農薬は農林水産省により安全とみなされたものだけが、農薬取締法に基づいて登録されています。現時点でドローンに適している農薬は、「無人航空機・無人ヘリコプターにおける散布」「無人航空機による滴下」が可能なものです。
しかし無人航空機や無人ヘリコプターと比較して、ドローンは薬剤タンクの容量が小さいのです。そのため少量でも効果的に散布できる高濃度な農薬の使用拡大が求められています。
年々登録数は増加傾向にあり、農林水産省では平成31年3月に、新たに200剤の登録を推進する目標に向けて拡大を図っています。また今後さらなる登録数の増加に向けて、ドローンに適した農薬試験成績の簡略化や、ニーズの収集と登録申請促進に向けた動きもみられています。
今回は農薬散布ドローンで防除可能な害虫と、該当の野菜についてお伝えいたしました。
農薬散布ドローンの導入が拡大したのが、ここ最近ということもあり、使用可能な農薬に制限があります。
しかし農林水産省や自治体、そして農薬メーカーなどは農薬登録数の拡大に向けて動きを見せています。そのため今後さらに効果的、かつ幅広い害虫に対しての農薬散布に期待できます。ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、該当の野菜に対して農薬散布ドローンの導入をご検討してみてください。
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