各産業で活用が進むドローンにおける技術や知識を学ぶドローンスクール。ドローンスクールは技術や知識を習得できるため操縦者側にはもちろん、公的な証明となることから農家など農薬散布を依頼する依頼者側にもメリットがあります。
しかし昨今はドローンスクールが増えており、それに伴いいくつかの弊害があるのも事実です。ここではドローンスクールが増えたことによる弊害と、農薬散布に必要な技術を中心にご紹介していきます。
昨今増えているドローンスクールですが、そもそもドローンスクールとはドローンの技術や知識を学ぶ場所です。現在はさまざまな民間企業や団体が、ドローンスクールを運営していますが、そのスクールによって学ぶ内容は異なります。
基本的に多くのスクールではドローンの離着陸や飛行方法といった技術面を学びますが、その他にもスクールによっては農薬や病害虫の知識やドローンに関する法律を学べるケースもあります。
そうしたスクールが多くなっていますが、ドローンの飛行に際して墜落や制御不能の事例も少なくありません。実際にドローンの墜落によって人に怪我を負わせてしまった事例、ドローンが他人の敷地に墜落してしまい回収のため敷地に侵入してしまった事例、制御不能になったドローンが車に傷をつけてしまった事例も公表されています。こうした事態を避けるためにも、必要に応じてスクールに通いドローンの技術と知識を備えておくことが重要です。
また農薬散布や肥料散布、空撮など農業にドローンを使用する際には、正確な操作技術の習得はもちろんですが、法令に準じて農薬の使用法などに注意し、周りへの安全性に配慮する必要があります。特に農薬散布や肥料散布にドローンを活用する場合には、使い方を誤ると病気や失明を負わせてしまうなどのリスクもあるため、正確な技術と知識を持った上で飛行させることが重要です。
上記のようにドローンスクールはドローンの技術や知識を学ぶ場所ですが、単純にドローンを飛行させるだけであればドローンスクールへ通う必要はありません。そのためドローンスクールに通っていなくとも、違法になることはありません。
ただし2022年からはドローン免許制度の導入が予定されており、今後はドローンスクールへ通う必要があるかもしれません。またドローンスクールへ通うことで、ドローンの技術や知識を習得できるメリットに加え、その技術や知識を公的に証明できるメリットもあります。
公的に証明できるということは、農業分野で農薬散布や肥料散布、空撮などのドローンの活用が進む中で、操縦者が仕事の獲得につながりやすくなったり、依頼者の要望に応えるためにも有用です。また場合によっては、事前にドローンスクールへ通うことで国土交通省への許可申請で必要な資料を一部省略することもできるため、その点でもメリットがあります。
技術や知識を習得、公的な証明などメリットの多いドローンスクールですが、昨今は各民間企業や団体がスクールを運営しており、スクールが非常に増えている状況です。実際に国土交通省航空局が公表する「講習団体」は、2020年4月時点、全国で735団体。初公表した2017年の43団体から3年間で17倍に急増し、現在はさらに多くの団体が存在すると予想されます。
ドローンスクールが数年で倍増した背景には、特に担い手不足や高齢化が進む農業分野におけるドローン活用による作業効率向上や省人化の解消が挙げられます。しかし各スクールで学ぶ内容が異なることから、実際に現場で活用するには技術や知識にばらつきがあり、その点が問題となっています。
とはいえ民間企業や団体がスクールを運営しているため、学ぶ内容が統一されておらず、弊害があるのは、やむを得ないのも事実です。また依頼者側の企業や農家も、どのスクールを修了している操縦者に依頼すれば良いかが判断できない点も弊害の1つです。こうした事態を回避するためにも、2022年からはドローン免許制度の導入が予定され、学習内容の統一が求められています。
一括りにドローンでの農薬散布に必要な技術といっても、その圃場や使用するドローンによって異なります。ただし一般的なドローンの離着陸や飛行技術に加えて、航空機の航行や人・物件などの安全を確保するための航空法、農薬を安全かつ適正に使用するための農薬取締法への理解は欠かせない点です。
そのため基礎的な技術に加えて、依頼者側は法令の理解があるか否かが見極めることが重要です。またカメラを搭載したドローンで圃場を空撮し、適切な場所へ農薬散布できる技術を確認するのもポイントです。しかしこれらの要件は依頼者によって大きく異なるため、操縦者と適切なコミュニケーションをとり、要件をすり合わせることが重要です。
ドローンスクールが増えたことによる弊害と農薬散布に必要な技術を解説しました。
マゼックスの農業用農薬散布ドローン飛助MGの活用にも、農林水産航空協会の認定教習所を受講する必要があります。スクールを受講した上で安全への配慮を欠かさずドローンの活用を進めるようにしましょう。