空撮や農業、インフラ関連で主体だった産業用ドローンですが、マゼックスは国内初の電設業ドローンを誕生させました。延線・索道・架線ドローンで、ロープをドローンに取り付けて作業の手助けを行います。今までは空撮用ドローンに取り付けて作業を行っている方もおられましたが、電設業の延線-索道-架線ドローンを使用することで、どれだけのメリットや安全性を確保できるのか、実際の作業内容も交えてご紹介いたします。
電設業の延線-索道-架線ドローンの導入実績は以下の通りです。
A地点にオペレーター、B地点にはサブオペレーターを人員配置し、機体をA地点から離陸します。オペレーターが①番の木を超えたところでサブオペレーターに操縦権を切り替え、高度を下げ木の間にロープを垂らしB地点にロープを切り離します。この作業を2回行い、ロープを2本延線します。
オペレーターがB地点、サブオペレーターがC地点に配置し、機体をB地点から離陸させます。②番の木を超えたところでロープを木の間に垂らしてからサブオペレーターに切り替えます。そのまま目的地点まで飛行し、③番の木の間に通し目的地点にロープを切離し、ロープを2本行えば作業終了です。
従来は鉄砲などの手作業だったので、準備・作業時間が長く約2日間必要な作業現場でした。
人員配置に1時間、木の間を3か所も通さないといけないにも関わらず飛行作業時間は30分で完了しました。今まで2日間必要だった作業をわずか90分間と効率的に完了することができました。
バッテリー本数も2セットで余裕があるので、準備時間も大きく減ります。また飛行申請も1年間の包括申請が可能なので、作業ごとに申請作業が必要ということはありません。
【延助Ⅳ】は国内初搭載の2オペレーション仕様で、カメラに頼らず全作業を目視内で作業できます。今回のような木の間にロープを通す技術が必要な作業はカメラでは難しく、距離感が把握しづらいので衝突の危険があります。2オペレーションにすることで、木に隠れてしまっても反対からサブオペレーターが操縦できるのと、目的地点の安全を確認しながらピンポイントでロープを落下させることができます。2オペレーションを使用することで、カメラ式ドローンと比較すると半分程の時間で作業を完了させます。
延助Ⅳにはロープの切離し装置が装備しており、切離し装置が動かなかった場合に備えて緊急リリース装置が取り付けられています。延線専用に設計しているため切離し装置にロープが引っ掛かることはなく、電動で動作するので作業者が機体に近づかなくても機体からロープを切り離すことができ、安全性を確保することができます。
ドローンで延線作業を行うには、ロープの重量以上の余力が必要です。延線時はロープが空中で風にあおられている状態になります。その時のドローンに加わる力はロープ重量の約3倍という数値を今までの実証実験で把握しています。今回は1.5kg/100mのロープを使用したので、250m延線する場合、最大11.25kgの荷重がドローンに加わります。
延助Ⅳはその荷重に耐えれるように引張荷重が最大15kgあり、安全性の高い作業飛行を実現しています。これは大人でも引っ張られるぐらいの強さで業務作業を行うには必要なスペックです。テグスのような軽いものであれば、このスペックは必要の無いと思われますが、後工程の作業が多くなったり、風が少し吹くと木に絡まったり機体があおられ危険なため、作業を中断しなくてはならず作業効率はあまり良くなりません。
延線・索道・架線専用の産業用ドローンを使用することで作業効率が大きく向上します。今は産業用ドローンの安定性も大きく向上し、初心者でも数日間の操作練習で飛行できます。自動飛行やカメラなど様々な実験を行った結果、2オペレーション仕様が適正と判断しました。
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延助Ⅳ 延線-架線-索道用ドローン
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