追肥は多くの農作物の生育に欠かせない農作業の1つであるものの、大きな手間と時間がかかる作業でもあります。そんな追肥作業はドローンで行うことで、手間と時間を大きく削減し作業の効率化につながります。
しかしドローンによる追肥は通常の追肥とは異なり、特に肥料選定や圃場に適したドローン選びが重要です。そこで本記事ではドローンで追肥を行うメリットをはじめ、効果的な肥料の選び方を中心に解説します。
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日本の農業は、従事者の高齢化や若年層の農業離れに伴う「担い手不足」が深刻化しています。その中で農業用ドローンの活用は作業効率向上につながり、少ない担い手でも持続的な農業につなげられる可能性があるとあって、大きな期待が寄せられています。
また、農業におけるドローンの活用といえば、真っ先に農薬散布が挙げられますが、追肥作業も農薬散布と共通する部分が多いので、ドローンによる追肥も可能で、実際に活用もされています。
数ある農作業の中でも農薬散布と追肥は大きな手間と時間がかかる作業で、その分ドローンで代替した際の業務効率化によるメリットも大きくなります。
ドローンで追肥を行う最大のメリットは、やはり「作業効率の向上」です。しかしそのほかにも、ドローンで追肥することで次のようなメリットがあります。
追肥が必要な圃場の立地や状態は、地域性や気温、風土などによって多種多様です。例えば山間部に近い傾斜が急な圃場の場合、背負い式噴霧器では足腰への負担が大きく、特に重労働です。
とはいえ無人ヘリコプターのような大きな機体では、圃場に入りにくく、小回りも効きにくいため、狙った場所へ適切な量を追肥しづらいといった課題があります。一方で、ドローンによる追肥であれば腰への負担も少なく、なおかつ無人ヘリコプターに比べて小回りが利くため、適正な量で追肥が可能です。
また、水源が豊か、もしくは水はけが悪いなどの理由で水が染み込みやすい圃場の場合、作業日によっては圃場がぬかるんで圃場に入れないといったケースもあるかと思います。しかしドローンであれば、雷雨などの飛行できない場合を除けば、圃場の状態を気にせずいつでも追肥可能です。
背負い式噴霧器を使用した追肥作業を行う場合、圃場に作業者が直接入る必要があるため、どうしても農作物にダメージを与えてしまいます。実際に農作物の根や葉を踏みつけてしまい、誤って折ってしまうといったケースが想定されます。
しかしドローンによる追肥であれば、直接的に圃場へ入ることがなく上空から散布可能なため、農作物にダメージを与えずに作業できます。また農作物にダメージを与えにくいことで、結果的に収穫量アップや品質向上にもつながります。ドローンの活用は単に追肥を行い、作業を効率化するだけではなく、こうした生産性向上にも有効です。
背負い式噴霧器などを使用した追肥作業と同様に、ピンポイントな散布も農業用ドローンなら可能です。特に、センサーを用いて農作物の生育状況や圃場の状況を把握すれば、そこから得られるデータと連動して、必要な箇所にだけドローンを用いて追肥作業を行うといった技術も活用されています。
実際にドローンを活用して薬剤や肥料を散布する場合は、通常の肥料とは異なり、空中散布専用の薬剤や肥料を用います。
「空中散布用」として販売されている肥料であれば原則散布可能です。また、肥料以外にドローンで散布可能な具体的な薬剤は、農林水産省が運営する「産業用無人航空機用農薬」のサイトにて、作物名や薬剤の分類から検索、確認が可能です。各薬剤の特長や注意事項も明記されているので、詳細はサイトを確認してください。
また肥料は土壌の養分を補うものですが、「産業用無人航空機用農薬」のサイトで確認できるのは、成長や発育をコントロールする植物生育調節剤となっていますので、その点に注意してください。
参考:産業用無人航空機用農薬
https://mujin-heri.jp/index3.html
産業用ドローンの製造・修理・操縦指導などを行うマゼックスでは、肥料散布可能な各種農業ドローンを販売しています。「飛助DX」「飛助mini」「飛助MG」といった農薬散布ドローンをはじめ、以下のような肥料散布可能な備品も取り揃えています。
「7kg粒剤散布装置」は、飛助miniに搭載できる粒剤散布装置で、粒剤・肥料・豆つぶ®剤などが散布可能で、多様な圃場に対応しています。
また、均等な散布を実現するため、薬剤の流れや勢い、タンクの形状、インペラーのフィン形状など、散布に関わるさまざまな工夫をこらし製品化しています。
「10kg粒剤散布装置」は、飛助MG/DXに搭載できる粒剤散布装置で、mini同様、ワンタッチでスムーズにタンクの交換ができるアタッチメント式で、さまざまな薬剤を効率的に散布することができます。
また、散布時のムラを低減して均一に散布できるよう、新開発の全異形インペラーを搭載しています。
ドローンでの追肥は、中山間地にある圃場や、点在する散布地などでも、体への負担が少なく作業できるなどの作業効率化につながると同時に、農作物を傷つけずに作業ができ生産性向上に繋がるというメリットがある一方で、肥料によってはドローンで散布できないものもあるという注意点があります。
農薬散布用ドローンを活用する際には、これらの点にも注意したうえで、あなたに合った機体を選定すると良いでしょう。
産業用ドローンの製造・修理・操縦指導などを行うマゼックスでは、あなたに合った機体を導入するサポートを実施しています。
また、また以下のリンクから、ドローンの導入前に運用コストをご確認いただける、料金シミュレーションが可能です。導入時に活用できる可能性がある自治体の補助金についてもアドバイスができますのでので、ぜひお問い合わせください。