ドローンを使用することで時間短縮にもつながるので、炎天下での作業時間を短くするには最適な製品にはなりますがこんな暑い中でも飛行する際は何点か注意しなければいけない点があります。そこで今回は夏場の非常に暑い環境下でドローンを飛行させるにはどのような注意点があるのか詳しくご説明いたしましょう。
ドローンに使用されるバッテリーはリチウムポリマーバッテリーというもので、化学反応を起こして電気を放電しています。その際に熱を発して電気を供給するのですが、飛行終了後にもなるとバッテリーが非常に熱くなっている場合があります。もしくは内部は非常に高温になっていますが、まだ内部の熱が外にまで伝わりきれていなくて飛行直後はそこまで熱くなかったけど、5分程電池を置いていると熱くなってきた!ということもあります。夏場は外気が高いのでその分他の季節と比べてバッテリーの温度は高温になりやすくなります。
この熱い状態でバッテリーを充電してしまうと、あっというまにバッテリーの寿命が短くなってしまいます。通常であれば150回程度まで使用できるものが誤った使用方法をすると50回ほどで使えなくなってしまったりする場合もありますので長持ちさせるためには、必ずバッテリーの熱は取れた状態で再充電を行うことをお勧めします。クーラーが効いている部屋や車などにおいておくと冷める時間は少し早くなりますが、内部まで熱をしっかり冷ましてあげる必要がありますので、必ず1時間~2時間程おいておく必要があります。
ドローンの推進用モーターはほとんどがブラシレスモーターを採用されています。ブラシレスモーターはブラシモーターと比べ接点がないので熱を発しにくい構造にはなっていますが、夏場の高温な環境であればブラシレスモーターでも熱くなってしまうモーターがあります。弊社で取り扱っている農業用ドローンやその他の産業用ドローンでは耐候性を大きく向上し冷却機能に最重点を置いていますので熱ダレが生じてしまう危険はないのですが、一般的なドローンなどであればモーターが手で触れないぐらいに熱くなってしまいそのまま飛行するには大変危険な状態になってしまいます。必ず着陸後にはモーターを手で触って我慢できない程度の熱さまで温度が上がっている場合は日陰で少し機体を休ませてください。
ESCとはブラシレスモーターの運動を制御している装置です。一般的にこのESCはモーターの裏面に取り付けられていることが多く、プロペラから発生する風を利用したりしてESCの温度上昇を防いでいることが多いです。もしモーターの裏面に取り付けられていない場合はモーターから出ている3本の配線を辿っていけば必ずESCにつながっていますのでそちらを確認してみてください。飛行後は熱くなっていることが多く、モーターよりも温度は上がりやすい機構になっています。多くの場合はヒートシンクなどを利用し熱を効率的に逃がしている物が多いですが、小型機体になればそのような構造になっていることは少ないので注意する必要があります。このESCの温度が上昇し非常に熱くなった場合は、熱暴走を起こしてしまいモーターが正しく運動しなくなり墜落してしまう危険があります。
フライトコントローラーとは機体の中心部分になる脳みその部分になります。機体の状況を検知して全てのESCへ信号を出している部品で、このフライトコントローラーが異常なほどに熱を持ってしまうと熱暴走を起こしてしまい機体が突然墜落したり、操縦が効かなくなったり、突如操作もしていない方向に飛んで行ってしまう。などの事例が挙げられます。弊社ではこのような挙動を未然に防ぐために、温度センサーを設置し危険温度になれば操縦者に知らせて直ちに飛行を中断するように警告機能を標準装備しています。ほとんどのドローンでは温度警告機能がついているものは少なく、機体の温度状態を確認することは難しいです。
フライトコントローラーが熱暴走してしまう要因としては、直射日光に当たるところに長時間おいてそのあとすぐに飛行する時によく起こります。必ず屋外にドローンを置いておく場合は日陰に置くか、もしくは白いタオルをかけてあげると温度の上昇を大きく抑えることができます。
GPSもフライトコントローラーと同様で直射日光に長時間当ている場合、熱暴走を引き起こす確率が高くなってしまいます。GPSが熱暴走を引き起こすと、機体が安定しなかったり、思いもせぬ場所へ飛んで行ってしまう可能性があります。その為機体を置いておく場合は、直射日光を遮ることができる場所に必ずおいてください。飛行前に必ず手で機体を触ってみて異常に暑くなっていないか確認することでそのような事態はほとんど回避することが出来ます。
このようにドローンは夏場の過酷な環境下で飛行する場合は何点か注意する必要があります。
・直射日光のあたる場所に長時間置かない。
・着陸後は簡単に素手で温度状態をチェックする。
この二点を実施するだけで、暑さによる事故は大きく回避できるでしょう。