中小企業をはじめ個人の農家や農業法人などにおいて、主に業務効率化や生産性向上を目的に、農業用ドローンの活用が進んでいます。それに伴い2023年現在では、国や自治体が主導となって、個人や法人向けの農業用ドローン導入に関連する補助金が充実してきています。
しかし農業用ドローンを必要とするのは、個人や法人だけに限りません。
実際に農業に直接的に関わるJA(農業協同組合)をはじめとする団体や生協などでも、ドローン導入を必要とするケースもあるでしょう。
本記事では、そうした団体や地域が活用できる、農業用ドローン向け補助金を2種類ご紹介していきます。また以下のリンクから、条件に応じた受給額の診断が手軽に行えます。5分程度で行えますので、補助金をご検討の際にはご活用ください。
※個人利用が可能な農業用ドローン向け補助金はこちらでご紹介しています。
【2023年最新】個人利用可能!農業用ドローン向け補助金2種類
目次
地域・団体が2023年現在、利用できる農業用ドローンの補助金には「みどりの食料システム戦略推進交付金」「産地生産基盤パワーアップ事業」の2種類が挙げられます。ここでは地域・団体が利用できる、これら2つの補助金における概要についてご紹介します。
そもそも「みどりの食料システム戦略」は、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現することにより、持続可能な食料システム構築を目的に策定された取り組みです。現在日本では地球温暖化をはじめ、少子高齢化に伴う若年層の農業従事者や生産者の減少に伴い、今後の安定的な食料供給が課題となっています。
そうした課題がある中で、日本の農業従事者や団体・地域をサポートし、農業用ドローンをはじめとした設備投資によって、農業の持続性や生産性向上が求められています。それを実現するために「みどりの食料システム戦略推進交付金」が策定され、これに伴い補助金が設けられています。
また具体的には「スマート技術によるピンポイント農薬散布、病害虫の総合防除の推進、土壌・生育データに基づく施肥管理」といった取り組みが期待されています。そうした取り組みを推進する一環として農業用ドローンの活用は特に効果的であり、その兼ね合いから農業用ドローンも「みどりの食料システム戦略推進交付金」の補助金の対象となっています。
詳細は以下の「みどりの食料システム戦略緊急対策交付金実施要綱」のサイトを確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受け、補助金の活用を検討してみてください。
参考:みどりの食料システム戦略緊急対策交付金実施要綱
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/
※2023年6月追記※
令和5年度の「みどりの食料システム戦略推進交付金交付等要綱」が2023年3月30日に公開されています。
最新の情報から対象者、申請方法等を確認し、補助金の活用をご検討ください。
https://www.maff.go.jp/j/kanbo/kankyo/seisaku/midori/attach/pdf/index-126.pdf
「産地生産基盤パワーアップ事業」は、2023年現在、団体や地域で利用可能な、収益力強化に計画的に取り組む産地に対して、農業用ドローンをはじめとする機械・施設の導入を支援する取り組みです。
具体的な「産地生産基盤パワーアップ事業」の目標は、青果物・花き・茶の輸出額の拡⼤、品質向上や⾼付加価値化などによる販売額の増加、産地における⽣産資源(ハウス・園地等)の維持・継承といったように、幅広いテーマを扱っている点が特徴です。
また農林水産省が主導となって行っている取り組みとなっており、農業用ドローンの導入に限らず輸出事業者と農業者が協働で行う取り組みの促進により、海外や加工・業務用等の新市場を安定的に獲得していくための拠点整備も対象です。
さらに需要の変化に対応する園芸作物などの先導的な取り組みや、全国産地の生産基盤の強化・継承なども支援しています。また産地の収益性向上に向けた取り組みとして、農業機器のリース導入・取得、生産機材導入など、農業用ドローンの導入はもちろん、幅広く農業関連の事業をサポートしてくれます。
ただし該当の都道府県などで対象品目や対象者、補助対象経費などが異なる点に注意してください。詳細は以下の「産地生産基盤パワーアップ事業」を確認し、必要に応じて専門家のアドバイスを受け、補助金の活用を検討してみてください。
参考:産地生産基盤パワーアップ事業
https://www.maff.go.jp/j/seisan/suisin/tuyoi_nougyou/sanchipu.html
上記でご紹介してきた「みどりの食料システム戦略推進交付金」「産地生産基盤パワーアップ事業」といったように、農業用ドローンの導入に際して、地域・団体が利用できる補助金は複数存在します。しかし申請時期や対象となる地域や団体、対象となる機器は、その補助金や取り組みによってさまざまとなっています。
実際に昨年まで行っていた取り組みが2023年には終了してしまうケース、一方で新規により補助率が高い補助金がスタートするケースもあります。