農業用ドローンの導入を検討していると、ドローンのレンタルサービスやリースプラン、各種補助金を活用した購入方法など、入手方法がいくつかあることに気づき、「自社・私にはどの入手方法があっているのだろう?」と疑問に思う方もいらっしゃることと思います。
「レンタル」「リース」「購入」という入手方法がある代表的なものとして自動車が挙げられますが、ドローンの「レンタル」「リース」「購入」も、実はほぼ同じです。
今回は、農業用ドローンの代表的な入手方法「購入」「レンタル」「リース」の、それぞれのメリット・デメリット等をご紹介します。
目次
ドローンのレンタルサービスは、空撮用のドローンを中心にレンタル会社がサービスを提供していますが、近年は農業用ドローンをレンタルできるレンタル会社も増えてきました。
レンタルのメリットは、なんといっても「必要なときにだけ借りられる」ことです。
使用頻度とても低い方であれば、機体を購入したり、月払いのリース契約を結んだりするよりも安価になる可能性があります。
レンタルする際に、最新機器やさまざまなメーカーの機体のうちから好きなものを選ぶことができる場合もあります。どの農業用ドローンを購入するか迷っている方なら、レンタルしていくつかの機体を試してみるのも良いかもしれません。
レンタルの場合、必要なときにレンタルして、レンタル期間が終われば返却すればよいので、定期点検を実施する必要はありません。長期間利用せずに保管していると、バッテリーが劣化してしまう恐れがあるので、定期的に点検をしておきたいところですが、このような不具合についても心配不要です。
ただし、レンタルの場合でも、飛行前後の点検は必ず実施してください。
レンタルしたいタイミングで、借りたい機体の在庫が必ずあるとは限りません。農作物の生育状況に合わせて、借りたい機体が借りられない可能性があることを了承しておく必要があります。
レンタルも借りる期間が長かったり、頻度が高かったりすると、結果的にはリースや購入よりもコストが割高になることがあります。どれくらいの期間、頻度で利用するのかを考えて、コストパフォーマンスの良い利用形態を選ぶことをおすすめします。
ドローンの飛行中に万が一の事故が生じたり、機体を破損してしまったりすることもあるので、ドローンを利用する際にはドローン保険に加入することが推奨されます。レンタルの場合、レンタル会社が保険に加入しているかどうか、加入している保険が、どのような補償を受けられるものなのかを確認しておきましょう。レンタル会社が保険に加入していない場合や、補償内容があまり充実していないようであれば、レンタルの都度、自身で保険に加入する必要があるかもしれません。
レンタルの場合であっても、飛行申請は必須です。レンタル会社によっては、飛行申請を代行してくれるサービスもありますので、申請方法がわからない方や、申請が面倒な方は、このようなサービスを利用して、必ず飛行申請を飛行前に行ってください。
ドローンメーカーや販売店が、農業用ドローンのリースプランを用意していることがあります。
「リース」とは、英語で ”lease”=「賃貸借」を意味する言葉ですが、日本で「リース」といえば、リース会社が利用者とは別に物品を購入し、リース会社から利用者がその物品を長期間賃貸することを指します。レンタルも賃貸に変わりありませんが、リースの方がレンタルよりも賃貸期間が長いのが一般的です。
リースのメリットは、その支払い方法です。機体にもよりますが、農業用ドローンを購入するとなると、機体やバッテリーの購入や、リモートIDの登録などで数百万円程度の初期費用がかかってきます。リースの場合は、初期費用なく、月額数万円程度で利用することができるので(もちろん、機種や契約方法によります)、まとまった金額の初期費用を用意する必要がありません。
また、リース会社にもよりますが、支払い方法も毎月固定額での支払いや、売り上げの多い月のみ支払うなど、支払いタームも柔軟に対応している場合があります。自動車と同様に「残価設定」が可能なプランがある会社もあるので、あなたに合った支払い方法を提供しているリースプランを探してみましょう。
リースの場合、契約を変更することによって、借りる機体を変更することができます。機体を購入した場合、新しい機体に買い替えるのはそう簡単なことではありませんが、リースの場合は契約期間が終了するタイミングでそのときの最新機種を選択することも可能です。
契約内容にもよりますが、リースで契約する場合は、数年単位での契約になり、基本的に中途解約はできないものと思っておいた方がよいです。使わなくなったからと言って、契約期間の途中で解約することは、基本的にはできないことを理解しておきましょう。
リースプランを利用する際は、契約内容をしっかりチェックすることが大切です。リース契約後の保守や修繕はどちらが行うのか、費用がかかる場合はどちらが支払うのか、利用者が保険に加入しなければならないのか、など、確実にチェックして、適切な対応を行ってください。
農業用ドローンの導入を検討し始めた際に、まず初めに得られる情報は、購入を前提とした内容だと思います。レンタルやリースよりも一般的な入手方法ですが、レンタルやリースで農業用ドローンを利用できるようになった今こそ、メリット・デメリットを知っておきましょう。
リースでの使用年数が長くなればなるだけ、レンタルの利用頻度が高くなればなるだけ、コストが嵩張っていきますが、購入した場合は、使えば使うだけコストパフォーマンスが高くなります。長く、頻度も高く利用する予定がある方は、機体を購入することをおすすめします。
ドローンを購入する際に申請可能な補助金・助成金がいくつかあります。給付額によっては、リースプランよりも格段に安く機体を入手できる場合もあります。
機体にもよりますが、農業用のドローンは、機体やバッテリーなどを購入したり、保険に加入したりすると、初期費用は100万円を下らない場合も多くあります。レンタルやリースと比べて、初期費用が高額であることは、購入する際の最大のデメリットと言えます。
購入した場合、当たり前ですが、保守・修繕にかかる費用は自己負担ですし、保険加入も自身で行う必要があります。
また、長期間使わない場合でも、バッテリーの劣化を防ぐために定期的に点検、メンテナンスをする必要がありますが、購入した場合には自身で行う、あるいは、点検サービスを申し込むことも自身で行わなければなりません。
これまで、「レンタル」「リース」「購入」のメリット・デメリット、注意点を並べてみましたが、それぞれ一長一短です。それぞれのメリット・デメリットを理解したうえで、ご自身に合った入手方法を検討してみてください。