2023年現在、農業用ドローンをはじめとした100g以上のドローン(無人航空機)には、機体登録が義務化されました。そのため従来のように、機体登録なしで100g以上のドローンを自由に飛行させることはできません。特に農業や測量をはじめとする事業用として、ドローンを活用する際には注意が必要です。
本記事では100g以上あるドローンの機体登録が義務化された理由を踏まえ、ドローン機体登録の方法やリモートIDについてご紹介していきます。また以下のリンクより、「農業用ドローンの料金シミュレーション」が可能ですので、導入を検討されている場合には、お気軽にご活用ください。
ドローンは農業での活用をはじめ、空撮による測量や報道の現場、建築物のメンテナンス・点検といったように、多種多様な活用方法があります。その中でも、特に従事者の高齢化や担い手不足が深刻化する農業においては、ドローンを活用した農薬・肥料散布、圃場・農作物の観察による、業務削減や生産性向上が注目されています。
このように多くの産業において、ドローンを活用した業務の推進が期待されています。しかしその裏ではドローンの利用によって、多くの事故が発生しているのも実情です。具体的には次のようなドローン関連の事故が発生しています。
・農業関連業者:肥料散布の際、家屋に衝突し損傷させ墜落
・個人:農薬散布の際、納屋に接触し外壁を損傷
・事業者:河川にかかる橋梁の現況調査の際、鳥に接触し河川に墜落し機体を紛失
・農業関連業者:防除作業の際、園芸用ハウスに衝突し窓ガラスを破損
・個人:空撮の際、操作を誤り機体が海上に墜落し紛失
・農業関連業者:農薬散布の際、電線に接触し切断
・事業者:橋脚撮影の際、操作を誤り墜落し水没
上記に挙げたドローンの事故事例はほんの一部です。
国土交通省から公表されている、令和3年度のドローン事故だけでも年間100件を超えており、いかに多くの事故が発生しているかが伺えます。中でも農業ドローンは多くの現場で活用が進んでいることもあり、農薬散布や肥料散布の際に多くの事故が発生しています。
参考:令和3年度 無人航空機に係る事故トラブル等の一覧(国土交通省に報告のあったもの)
https://www.mlit.go.jp/common/001408112.pdf
上記でご紹介したような、ドローンの事故事例を踏まえ、2022年6月20日に機体登録制度が施行されました。また従来までであれば、ドローンを飛行させる際、航空法上の許可や承認を受けることで飛行可能でした。
しかし2023年現在は、農業用ドローンをはじめとする100g以上のドローン・無人航空機の登録が義務化され、登録されていない場合は飛行できません。また機体登録が義務化された主な理由としては、事故発生時の所有者把握、事故の原因究明や安全確保などが挙げられます。
参考:無人航空機登録ポータルサイト
https://www.mlit.go.jp/koku/drone/
実際にドローンの機体登録を進める際の方法は「無人航空機登録ポータルサイト」経由で、申請・入金・登録番号発行の3ステップで行います。
ドローン機体登録における申請方法は、従来のような書類提出に加えオンラインでの提出も可能です。ドローンの所有者、使用者の氏名や住所、機体の製造者、型式などの情報を書類に記入、もしくはオンライン上で入力することで申請できます。
申請後、納付番号が発行されるので、クレジットカードやネットバンク、ATMで入金します。また申請方法によっては手数料や納付方法が異なるため、あらかじめ注意してください。
入金が完了したら、申請したドローンの登録番号が発行されるので、機体に記載します。これらのステップを踏むことで、ドローンが飛行可能な状態になります。
参考:無人航空機登録ポータルサイト
https://www.mlit.go.jp/koku/drone/
リモートIDとは、飛行しているドローンを遠隔で認識可能にするために使用される、機体固有の記事別情報のことです。2022年6月20日より施行されているドローンの機体登録制度の一環で行われ、100g以上のドローンで実装が必要です。
また車のナンバープレートのように物理的ではなく、電波で識別する点がリモートIDの特徴です。上記でご紹介したドローン機体登録に加えて、今後はリモートID機能を搭載する必要があります。機体登録が義務化された理由と同様に、安全性の確保が主な理由です。
また次の場合には、搭載免除となります。
・2022年6月19日までに登録を済ませたドローン等の無人航空機
・飛行を監視する自補助者の配置や区画範囲の明示などの措置を講じて飛行する場合
・30m以内かつ十分な強度がある紐などで係留して行う飛行の場合
上記のような場合には、基本的にリモートIDの搭載が免除されます。
詳細は「無人航空機登録ポータルサイト」を確認し、安全にドローンの活用を進めましょう。