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農業用ドローンの事例農業用ドローンの活用が期待される分野とは?

農業用ドローンの活用が期待される分野とは?

農業用ドローンの事例
2020.08.15

従来はドローンといえば空撮用のトイドローンが主流でしたが、現在は産業用ドローンが普及し、特に農業用ドローンの活用が進んでいます。農業をはじめとした第一次産業では担い手の高齢化や人口減少などにより、労働環境に大きな課題を抱えている状況にあります。効率の良い農業を行うために活用され始めているのが、人的な作業を代替するドローンです。

そこで今回は、人的な作業を代替するドローンの代表として農業用ドローンの活用が期待される分野をご紹介していきます。合わせて実際の活用事例もお伝えいたしますので、ドローンの導入や活用を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

農業用ドローンの活用が期待される7つの分野とは

近年特に農業でのドローン活用が普及しています。ここでは具体的な事例を交えながら、農業用ドローンが活躍する7つの分野について詳しくお伝えしていきます。

農薬散布

農薬散布は農業の中でも、もっとも多くドローンが活用されている分野です。これまでは無人ヘリコプター、または人の手で散布する方法が一般的で、個人で所有するには高額で、委託の場合も大きなコストもかかります。とはいえ、人の手で農薬散布するには体力的にも負担が大きいのが実情です。

しかしドローンなら価格相場は100万円ほどで、一度購入すれば、後からかかる大きなコストは基本的には農薬のみです。さらに農薬散布に適した性能も備わっていることから、無人ヘリコプターよりも効率的かつ高精度の空中散布が可能です。

肥料散布

農薬と同じく、空中から肥料散布ができるのもドローンならではの魅力です。特に山間地域などのように、人の手による対応が難しい場所であっても、ドローンであれば簡単にこなせます。また労働負担の軽減による作業効率の向上だけでなく、安全性の確保にも貢献する点が大きな魅力です。

播種

ドローンを活用することで播種を空中から行い、1回の作業におけるコスト・時間・労力の大幅削減が可能です。これまで無人ヘリコプターでも播種が行われてきましたが、コスト面ではドローンに軍配が上がります。現在農業用ドローンといえば、農薬や肥料散布がメインですが、今後は播種散布機能にも優れたドローンの登場に期待できるでしょう。

受粉

受粉は主に果樹園で行われており、花粉を混ぜた溶液を空中から散布する方法が研究されている段階です。品種によっては安定した生産をキープするために、人工授粉が欠かせないものもあります。しかし、人工授粉は作業時間と労力が課題であったため、今後ドローン導入を普及することで、大幅な改善に期待できます。

農産物等運搬

担い手の高齢化や労働人口の減少により、重量のある作物の運搬も課題となっていました。ドローンにコンテナを設置することで、ほ場から集荷場所への運搬もドローンに任せられます。さらに自動飛行機能が備わっているドローンであれば、さらに手間をかけずに作業効率が大幅に向上します。

ほ場センシング

カメラを搭載したドローンでほ場を撮影し、画像データを元に農作物の育成状況や病害虫の発生などが可視化されます。そのため目視による育成状況の確認や見回りをする手間を大幅に省け、対策や作物の品質向上などその他の必要作業に時間をあてられます。それによって、結果的に農作物の品質や収穫の向上にもつながります。

鳥獣被害対策

赤外線カメラ搭載のドローンを活用することで、リアルタイムでの見回りや、鳥獣の生態調査が可能です。見回りの時間・負担の軽減だけでなく、生態を知ることにより効率的な捕獲もできるようになります。

農業用ドローンの活用事例

ここでは実際に農業用ドローンの活用事例についてお伝えしていきます。

農薬散布:JA⿅児島県経済連

JA鹿児島県経済連では、若手の人材をドローンオペレーターとして育成し、JA組合員から農薬散布作業の代行を始めました。また農薬散布代行だけでなく、その土地に合った薬剤選定も対応可能です。これまで約2時間かかっていた散布作業が約20分に短縮され、大幅な作業効率アップが実現しました。

肥料散布:(株)ジェイエイフーズみやざき

ほうれん草を中心とした露地野菜の栽培行っているジェイエイフーズみやざきは、積極的なスマート農業へ移行しています。空中からの液肥散布をドローンで行い、効率的な作業を実現。さらに、ほ場撮影も行うことで土地を分析・管理し、必要最低限の肥料だけで収穫はもちろん、品質の向上も可能となりました。

まとめ

今回は農業用ドローンについて、活用が期待される分野と活用事例についてお伝えいたしました。ドローンは農業における、労力や時間がかかる作業のカバーが可能であり、実際に導入した農家でも成功事例が多くみられる、将来有望なツールの1つです。
今後さらにドローンをはじめとするスマート農業が注目されていますが、まず取り組みやすいのは農業用ドローンの導入といえます。現段階で農作業における課題を抱える方はぜひ今回ご紹介した内容を参考に、農業用ドローンの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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